花粉症とは

花粉症イメージ

花粉がアレルゲンとなって発症するアレルギー症状が花粉症です。原因とされる花粉は、スギやヒノキなど春先に花粉が飛散する植物が有名ですが、人によっては初夏や秋の季節に飛散するイネ科の植物やヨモギ、ブタクサなどが原因となることがあります。したがってアレルゲンとされる花粉が飛散する時期に発症するようになりますが、いずれにしても飛散時期のみなので季節限定となります。

主な症状ですが、鼻の粘膜や結膜などに花粉が付着することで、くしゃみ、鼻水・鼻づまりなどのアレルギー性鼻炎の症状が現れるほか、眼の充血やかゆみ、流涙などアレルギー性結膜炎の症状もみられるようになります。上記以外にも、喉にかゆみ、痰が出ない咳、肌荒れなどが出ることもあります。

患者さまの訴えを聞く、症状をみるだけで診断がつくこともありますが、アレルゲンを特定させるための血液検査を行うこともあります。

治療について

鼻づまりや目のかゆみなど症状がつらい場合の対症療法としては、抗ヒスタミン薬や抗ロイコトリエン薬等の内服薬を使用します。また鼻づまりが強い場合は、鼻噴霧用のステロイド薬、眼症状には抗ヒスタミンの点眼薬などが用いられます。

舌下免疫療法について

なおスギ花粉がアレルゲンの患者さま限定とはなりますが、完治も期待できる治療として当院では舌下免疫療法も行っています。

これはアレルゲン(スギ花粉)が含まれた錠剤を口内(舌下)で1~2分程度馴染ませてから飲み込むというもので、開始直後は微量のアレルゲンを含んだ錠剤から始めます。その後、量を増やしていき、一定の量になればそれを飲み続けることになります。治療期間は最低でも3年以上を要します。同療法の完治率は2割程度ですが、ただ症状が改善されたという方を含めると8割程度の方に何かしらの効果があったとされています。

なお治療開始にあたっては制限があり、スギの飛散時期に行うことはできません。また対象年齢は5歳以上となっています。副作用としては、口内に腫れやかゆみのほか、アナフィラキシーがみられる可能性もあります。そのため重篤な症状を出る可能性も考慮し、初回の舌下免疫療法のみ院内での投与となります。問題がなければ、その後は1日1回できるだけ決まった時間帯に服用していきます。