当院でのアレルギー科診療

アレルギー科イメージ

私の専門分野である喘息の他、アトピー咳嗽や花粉症、アレルギー性鼻炎、アナフィラキシーについての相談も承ります。近年喘息については生物学的製剤の登場により今まで難治だった患者の治療ができるようになった反面、診療する側にはより高い専門性が要求されるようになってきています。また花粉症についても新しい注射薬によるコントロールや、症状を抑えるのではなく花粉症そのものの治癒を目指す舌下免疫療法を提供することができます。

花粉症について

アレルギー性鼻炎とは

主に鼻の粘膜にアレルゲン(ハウスダスト、花粉、真菌、ペットの毛 等)が付着し、それに対するアレルギー反応が起きている状態をアレルギー性鼻炎といいます。なお同疾患は、ハウスダスト等がアレルゲンで症状が1年中続いている状態を通年性アレルギー性鼻炎、花粉がアレルゲンで飛散時期にのみ限定して発症するケースを季節性アレルギー性鼻炎と分類しています。

よくみられる症状は、くしゃみ、鼻水、鼻づまりですが、鼻の付け根の部分に疼痛、嗅覚が低下するなどの症状も見受けられるようになります。

治療に関してですが、アレルゲンが特定している場合は、まずはそれを避けるための環境づくりを整えていきます。
症状を抑えるための治療としては、抗ヒスタミン薬や抗ロイコトリエン薬等による内服薬を使用します。鼻づまりが強い場合は、鼻噴霧用のステロイド薬も使用していきます。

舌下免疫療法について

根本的にアレルギー性鼻炎を治療する方法として減感作療法があります。当院ではその中のひとつである舌下免疫療法を行っています。これは、微量のアレルゲンを体内に投与し(舌下免疫療法であれば、アレルゲンを含む錠剤を口に数分ほど馴染ませてから飲み込む)、体に慣れさせることでアレルゲンを克服していく治療となります。治癒率は2割程度とされていますが、残りの6割程度の方に症状の改善がみられたとされています。つまり約8割の方に何らかの効果があるとされる治療法です。ただし3年以上の治療期間を必要とし、ダニもしくはスギ花粉のアレルゲンを持つ方のみを対象としています。

アトピー性咳嗽とは

アレルギー反応のひとつで、花粉やハウスダスト等のアレルゲンがきっかけとなって引き起こされます。気管支喘息や咳喘息と同様に慢性咳嗽のひとつです。
主な症状として、喘鳴の症状はみられず、痰がからむことがない乾いた咳が見受けられます。このような喘鳴や呼吸困難のない咳が3週間以上続くと同疾患が疑われるほか、喉にかゆみやイガイガ感を感じることがあります。よく咳喘息と区別がつけにくいとされますが、気管支拡張薬が効かないというのがアトピー性咳嗽の特徴です。
治療に関しては、抗アレルギー薬のひとつとされるH1受容体拮抗薬が用いられます。